高血圧はその原因により、本態性高血圧と二次性高血圧に分けられます。
高血圧
高血圧
くり返し測定した診察室血圧(クリニックで計測した血圧)で、上の血圧が140mmHg以上あるいは、下の血圧が90mmHg以上の場合に「高血圧」と診断されます。自宅で計測する場合は、上の血圧が135 mmHg以上、下の血圧が85 mmHg以上を「高血圧」と診断します。
高血圧をそのままにしていると、心筋梗塞や心不全、脳卒中、腎臓病といった重大な病気を招きます。しかし、高血圧という状態だけでは自覚症状に乏しく、一般に病気であると認識することがなかなかできません。
職場検診などで高血圧を指摘された場合は、まずは塩分摂取を減らすなどの食事療法や有酸素運動を取りいれた適度な運動など生活習慣を見直しましょう。
それでも高い場合は、薬物療法の必要性などを判断するためにもクリニックや病院を受診しましょう。
当院には、食事療法をサポートする管理栄養士も常駐しておりますので、食事に関する簡単な相談から個人の生活に合わせた踏み込んだ指導まで対応することが可能です。
高血圧はその原因により、本態性高血圧と二次性高血圧に分けられます。
一般的に、高血圧は本態性高血圧のことを指し、日本人の高血圧の約9割がこちらに分類されます。本態性高血圧の原因は2023年時点では、はっきりとわかっていません。リスク因子としては、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙といった生活習慣、加齢、遺伝的な要因などが関連しているといわれています。
二次性高血圧とは、何らかの病気が原因となって起こる高血圧のことです。二次性高血圧の原因には、腎実質性高血圧、腎血管性高血圧、内分泌性高血圧(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など)、睡眠時無呼吸症候群、遺伝性高血圧、薬剤誘発性高血圧などがあります。
高血圧に特有の症状は、ほとんどありません。血圧が高度に上昇した場合、頭痛や視力の低下、吐き気といった症状を伴うことがあります。また、気づかないうちに進行し、脳卒中や心筋梗塞、心不全などの合併症を引き起こすこともあります。
血圧の測定方法には、診察室で測定する診察室血圧と、診察室以外の場所(持ち運びができる自動血圧計を用いたり、自宅などで測定したりする)で測定する診察室外血圧の2種類があります。診察室血圧と診察室外血圧に大きな差がある場合には、診察室外血圧を優先します。
高血圧と診断された患者さんのうち、主に以下のような特徴がみられたら、二次性高血圧であるかどうかを確認するスクリーニングを行います。
主な検査としては、尿検査、血液検査による各種ホルモン、クレアチニン、電解質、血糖値の測定、腹部の超音波検査やCT検査、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査などが挙げられます。
高血圧治療の目的は、高血圧が続くことによって起こる脳卒中・心筋梗塞などの合併症の発症、進行を防ぐことです。高血圧の治療は、生活習慣の改善と薬物治療の2つによって行われます。まずは、高血圧に関与している塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙など生活習慣を改善します。
生活習慣の改善では、たとえば、以下のようなことが推奨されます。
生活習慣の改善で血圧が下がらない場合、薬物治療を行います。薬物治療では、降圧薬と呼ばれる血圧を下げる薬を用います。複数の降圧薬を時に組み合わせて使うことで、目標血圧を達成します。
二次性高血圧であった場合、その原因となる病気によって治療方法はさまざまです。病気の治療によって原因を取り除くことで、血圧が下がる場合もあります。たとえば、内分泌性高血圧は、腎臓のそばにある副腎に腫瘍ができ、ホルモンが過剰に分泌されることで起こります。この場合は手術を行うことにより、治癒を目指すことが可能です。
また、腎血管性高血圧症は、腎動脈が狭くなり、腎臓へ行く血液が少なくなることで起こります。主に若い人にみられるような線維筋性異形成によって腎動脈が狭くなっている場合には、カテーテル治療で血管の狭くなった部分を広げることで、高血圧が改善されることもあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)による高血圧の場合は、検査を行い一定の基準を満たせば、CPAP療法に対して保険診療が適用されます。(終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)という検査でAHIが20以上、または簡易型PSGでAHIが40以上)
CPAPは機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療方法です。
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