神戸で心臓リハビリテーションについて講演させていただきました。
- 2024年10月12日
- 心臓リハビリテーション
こんにちは、理学療法士の澁川です。
だいぶ秋めいて気持ちの良い気候になりましたね。
10月9日(水)に神戸で心臓リハビリテーションに関する講演をしてきました。
ご依頼くださったのは、神戸市北区にある「神戸リハビリテーション病院」さんです。
『しあわせの村』という名称の総合福祉ゾーンに位置しています。
(神戸リハビリテーション病院さんからご提供いただきました)
兵庫県最大規模の回復期リハビリテーション病棟を有する御施設で、学生時代に見学させていただいた経験があります。
それもあって私のイメージは、“昔からある由緒正しき回復期リハビリ病院”でした。
最近は、外来心臓リハビリテーションにも力を入れて取り組まれており、心不全や心臓手術後の患者さんが急性期病院を退院した後もシームレスにリハビリできるよう基幹病院とうまく連携しながら心臓リハビリテーション室を運営されていました。
急性期病院で救命された後に回復期病院へ移って自信がつくまで心臓リハビリテーションを続けられることは、患者さんにとって大切なことだと思います。
写真:循環器内科専門医の服部修医師と筆者(心臓リハビリテーション室にて)
大学病院でバリバリ心臓リハビリテーションに従事していた理学療法士が地域のクリニックで活動するようになった感想やそこから得た経験を話してほしいというご依頼でしたので、心臓リハビリテーションの各時期(急性期・回復期・維持期)において何を大事に考えて取り組んでいるのかなど、自身の経験を基に講演させていただきました。
簡潔にまとめると以下のような内容です。
・ 大学病院は非常に重症な患者さんへの早期離床や超急性期リハビリ医療を提供するため、リスクマネージメントを徹底することが大事です。
・ クリニックでは特に共同意思決定支援(Shared decision making:SDM)を実践して、患者さんと医療者が一緒にその方にとっての最善を考えた治療に取り組むことが大切だと考えています。
・ 維持期(クリニックなど)に従事するセラピストは、できれば急性期治療の経験を有する方が望ましいです。なぜなら、例えばカテーテル治療や心臓手術において、入院から手術前~術中~術後~そして退院後の生活、と全体の流れをしっかりイメージして理解することができるからです。
・ 国や自治体の方針としては、循環器病予防のために患者さんが困ることなく心臓リハビリテーションをいつでもどこでも受けられる環境づくりを目指していますが、まだ十分に整備されていないのが現状です。
熱心に聞いてくださり、たくさんの質問を受けました。向上心の高い意欲的なセラピスト先生・看護師さんばかりでした。
神戸リハビリテーション病院では、リハビリ業界ではまだ珍しい「レジデント制度」を活用して、神戸市立医療センター中央市民病院で1年間レジデントとして勤務した理学療法士の先生が心臓リハビリテーションに従事されていました。
兵庫県内における病院同士の人材交流・人材育成をすでに実践されていることに感嘆しました。
私たちも滋賀県内の心臓リハビリテーション施設が一体となって、協力して地域にお住いの皆様の健康維持に取り組んでいこう、という気持ちがさらに強くなりました。
長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。