脂質異常症と食事
- 2026年4月27日
- 生活習慣病
こんにちは。
南草津ひだまりハートクリニック 管理栄養士の安原です。
今回は、脂質異常症と食事について紹介したいと思います。
脂質異常症の食事療法は、脂質異常症のタイプによってアプローチが異なります。
まず、脂質異常症は血中脂質の種類によって4つのタイプに分けられます。
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高LDLコレステロール血症 |
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LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い |
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高トリグリセリド血症 |
= |
中性脂肪が高い |
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低HDL-コレステロール血症 |
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HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い |
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高non-HDLコレステロール血症 |
= |
HDLコレステロール(善玉コレステロール)以外が高い |
何にも共通しているのは、「カロリーの摂りすぎを防ぎ、適正体重を維持する」ことです。
以下にタイプ別のアプローチについてお示しします。
<LDLコレステロールが高い場合>
「コレステロールが高い」と聞くと、食事に含まれる「コレステロール」が思い浮かぶかもしれません。
実は、体内のコレステロールはほとんどが肝臓で合成されており、食品由来はその一部です。
このコレステロール合成の材料となるのが、肉類や乳脂肪、バターなどに多く含まれる【飽和脂肪酸】で、高LDLコレステロール血症の場合は控えることが望ましい脂肪分となります。
当クリニックで栄養相談をさせていただく中で「卵は食べても大丈夫ですか?」という質問をよく頂戴します。
食事中のコレステロールが多くても血中のコレステロールは高くなるため、卵や魚卵、レバーなどコレステロールを多く含む食品の摂りすぎは控えた方がよいですが、肝臓で合成されるコレステロールの方が多いので、まずは飽和脂肪酸を摂りすぎていないか見直してみましょう。
逆に、コレステロールの合成を抑えて体内のコレステロールを下げる働きがあるのが、植物油や魚油に多く含まれる【多価不飽和脂肪酸】やオリーブ油などに多く含まれる【一価不飽和脂肪酸】です。
メディアなどで「オメガ3」という言葉を耳にされたことがあるかもしれません。
このオメガ3脂肪酸は、DHAやEPAなどで魚に多く含まれ、積極的に摂ることを勧められる多価不飽和脂肪酸のひとつです。
また、食物繊維を摂ることでコレステロールの体内への吸収を抑えたり、コレステロールの排泄を促してくれる効果があります。
【まとめ①】
・脂身の多い肉や加工品は避ける(特に豚肉、牛肉)
・バターや生クリームは控えめにする
・菓子パン、ケーキ、スナック菓子は控える
・肉の代わりに魚を取り入れる
・野菜、海藻、きのこ類を積極的に摂る
<中性脂肪が高い場合>
中性脂肪値の上昇は炭水化物(糖質)やアルコールの摂りすぎと強く関係しています。
果物に含まれる【果糖】は代謝の経路がブドウ糖と異なりほぼ100%が肝臓で代謝され、中性脂肪に変換されます。
果物はビタミンやミネラルの補給によい食品ではありますが、摂りすぎには注意が必要で、特に果物ジュースやその他糖の入った飲み物の摂取は避けることが望ましいです。
また、夜間に摂取するとそのまま脂肪として蓄積されやすいため、夕食後の果物習慣は見直すことをお勧めします。
また、アルコールを摂取した場合、アルコールを分解する際に肝臓での中性脂肪の合成が促されます。
その結果、中性脂肪が増加し、高中性脂肪血症を招くため節酒が勧められます。
逆に、先にも登場した魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸は、中性脂肪を下げる働きがあります。
【まとめ②】
・果物は日中までに摂る
・ジュース類は控える
・アルコールは適量(アルコール1日25g以内)にして、休肝日を設ける
・魚を積極的に摂る
<HDLコレステロールが低い場合>
HDLコレステロールが低い場合の食事療法の効果については、現在ほぼ明らかになっていません。
基本となる適正体重を維持することや、中性脂肪が高値の場合は中性脂肪を下げることでHDLコレステロールを増やすことが期待できます。
また、禁煙や有酸素運動を行うことでもHDLコレステロールを増やすことができます。
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南草津ひだまりハートクリニックでは、ご自身の生活に取り入れられ、継続できる食事の方法を一緒に考えていければと思います。
一朝一夕にはいかなくとも、定期的にお話を伺いながら食事改善のお手伝いをさせていただきます。
“食事が大事なのはわかるけど、具体的にどうしたらいいの?”
“外食やお惣菜が中心だから、食事療法は難しそう”
“そうは言っても食事が楽しみだからなぁ”
“既に食事療法を始めているけれど、この方法で正しいかわからない”
お食事でのお困りごとや心配ごとがあれば、是非お気軽にお声かけください。