家族性高コレステロール血症(FH)について
- 2024年4月30日
- 内科
こんにちは。臨床検査技師の池田です。
今回は、家族性高コレステロール血症(FH)についてご紹介します。
家族性高コレステロール血症とは、血中LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高くなり、若い時から動脈硬化が進み、様々な血管に関連する病気を引き起こします。
特に心臓の血管(冠動脈)への影響が強く、心筋梗塞や狭心症を引き起こします。
比較的高頻度の遺伝性疾患で一般人口の300人に1人程度と言われています。
この病気の一部(ホモ接合体性)は、指定難病にもなっています。
大部分の患者さんは、若いころからLDLコレステロール値が高いだけで、特に症状がないため病気であることに気付きにくいです。
そのままでいると血中LDLコレステロールが血管壁にたまって動脈硬化が進みます。
心筋梗塞の発症は、男性で20歳代から、女性では30歳代からはじまります。
このように若い年齢での心筋梗塞を中心とした動脈硬化性疾患を引き起こすのが特徴です。
冠動脈(心血管)疾患の初発年齢が一般人口よりも15年から20年も早く、急性冠症候群患者の約10%を占めるとも言われています。
また、遺伝性疾患なので血縁者に同じようにコレステロール値が高く、心筋梗塞、狭心症などの心臓病が発症する人が多いことも特徴です。
これらより、家族性高コレステロール血症の患者さんは、狭心症や心筋梗塞などの病気と診断される前から動脈硬化を予防することが重要になります。
診断のため、家系内調査の問診やLDLコレステロール値測定やアキレス腱の厚さなどの検査が用いられます。
上図:超音波検査(エコー)を用いると、アキレス腱の厚さを数値(mm)で正確に示すことが可能です。
また、動脈硬化がどの程度進行しているかを調べることにより合併症を避けることもできます。
頸動脈エコーでは、血管壁の厚さなどを計測し動脈硬化の重症度を調べることが可能です。
心臓を主とした大きな血管が細くなっていないかを確認するには、血圧脈波検査(ABI・CAVI)、心臓エコーなどの検査を行います。
治療については、LDLコレステロールを充分に低下させるために薬物療法、運動療法、食事療法などが効果的です。
最後になりますが、
・未治療で血中LDLコレステロール値が180mg/dl以上
・皮膚(手の甲やひざ、ひじ、まぶたなどに黄色の隆起)やアキレス腱に黄色腫がある。
・ご家族でLDLコレステロール値が高い、または若年(男性55歳以下、女性65歳以下)で冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症など)や脳血管疾患と診断されている方がおられる。
上記3点において一つでもお心当たりのある方は、ぜひ当クリニックへご相談ください。