こんにちは。臨床検査技師の池田です。

 

さて今回は、深部静脈血栓症（DVT）についてのお話になります。

 

馴染みのある名称では、“エコノミークラス症候群”とも言われます。

（飛行機など窮屈な空間で長時間じっとしていることにより、血液の流れが悪くなって起こる病気です。震災後の避難所や車中泊でも起こるため、ニュースなどで耳にされたことがある方も多いと思います。）

 

原理としては、足の静脈に血液がうっ滞（血行不良）することで静脈内に血栓（血の塊）を作ってしまいます。

 

この血栓が、何らかの拍子に静脈の血流と共に流れていくと肺の細い血管に詰まって肺塞栓（急性肺血栓塞栓症）を起こしてしまう恐れがあります。

肺塞栓は、詰まらせてしまう血栓の大きさにもよりますが、重症となった場合はショック状態に陥り、死に至ることもある怖い病気です。

また、肺だけに限らず場合によっては脳の細い血管に詰まって脳梗塞(奇異性脳塞栓症)を起こしてしまう可能性もあります。

 

そのため、早期発見が大切になってきます。

 

深部静脈血栓症の症状としては、急速に足がむくむ、痛みが生じる、違和感がある、などが挙げられます。

 

また、血栓を作る原因はたくさんありますが、主に手術、長期臥床、悪性疾患、妊娠、産後、経口避妊薬服用（ピル）、脱水、下肢静脈瘤、血栓性素因（血栓を作りやすい傾向）、同じ姿勢で長時間いることなどです。

 

従来なら採血を行い、「Dダイマー」と呼ばれる検査項目を確認し、血栓があるかないかの予測を立て、もし数値が高ければ精密検査を行っていく、という流れで診断されます。

この流れで問題なのは、採血結果がでるまで時間がかかることです。

大きな病院だと当日に採血結果が出ますが、クリニックでは次回の診察まで待たなければなりません。さらに血栓があるかないかの予測しか立てることができないという弱点もあります。

 

当クリニックでは、下肢静脈エコー（精査）で直接血栓があるかないかをすぐに確認することができます。

 

特に以下の方々は、一度診察でご相談いただければと思います。

・足に違和感があり整形外科で診てもらったけど、特に異常がなかった方

・ピル服薬中で足に違和感がある方

・出張やご旅行、デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっていて、足に違和感や浮腫みが出た方、など

 

また、診察室では相談しにくいことなど何か気になることがあれば当クリニックのスタッフへ気軽にお話して頂ければと思います。