NHKでも話題になった「足梗塞」とは?歩くと足が痛い・しびれる症状に潜む重大なサインと治療法
- 2026年8月6日
- 心臓リハビリテーション

「最近、少し歩くとふくらはぎが痛くなる。でも、少し休めばまた歩けるから、ただの運動不足だろう」
「足先がいつも冷たくてしびれるけれど、年のせいか、もともと冷え性だから仕方ない」
「ただの加齢」「運動不足」「冷え性」といった自己判断は、実はあなたの血管が発しているSOSを見逃している可能性があります。
最近、NHKなどのメディアでも「足梗塞(あしこうそく)」として取り上げられ話題となっている「慢性閉塞性動脈硬化症(PAD)」。滋賀県草津市・大津市周辺で足の痛みやしびれにお悩みの方へ、循環器専門医の視点から、この疾患のメカニズムと見過ごせないリスク、そして当院の治療アプローチについて詳しく解説します。
▶︎目次
整形外科の病気と誤解しやすい「足梗塞」の正体
「足が痛い、しびれるといった症状は、膝や腰の関節が悪くなっているか、神経痛だろう」
多くの方がそう考えがちですが、この認識は必ずしも正しくありません。
足梗塞の正式名称は「慢性閉塞性動脈硬化症(PAD または ASO)」と言います。心臓の血管が詰まる「心筋梗塞」や、脳の血管が詰まる「脳梗塞」と同じように、「足の血管が動脈硬化で詰まりかけ、血流が不足している」ことが原因で起こる血管の病気です。
特に特徴的なのが「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という症状です
- 一定の距離(例えば100m〜500mほど)を歩くと、ふくらはぎや太ももが締め付けられるように痛む。
- 立ち止まって数分休むと、痛みがスッと消えてまた歩けるようになる。
【整形外科の病気(脊柱管狭窄症など)との見分け方】
腰の神経が原因の場合、「前かがみになる」「座って休む」ことで痛みが和らぐ傾向があります。しかし、足の血管が原因である足梗塞の場合、「姿勢に関係なく、ただ立ち止まって足の筋肉を休ませるだけ」で痛みが回復するのが特徴です。
歩行によって足の筋肉が酸素を必要としているのに、血管が詰まっているため十分な血液(酸素)が届かず、筋肉が「酸欠状態」になって悲鳴を上げているサインなのです。これを単なる加齢や筋肉痛と決めつけるのは、医学的に大変危険です。
【進行の4段階】放置するとどうなるのか?
足梗塞は、ある日突然足が腐ってしまうわけではありません。医学的には以下の4つの段階(フォンテイン分類)を経て、徐々に進行していきます。
- 第1度(冷感・しびれ)
足先の血流が滞り始めます。「夏でも足先が冷たい」「ピリピリとしびれる」といった症状が出ますが、多くの方が「ただの冷え性」と見過ごしてしまいます。 - 第2度(間欠性跛行)
歩行時に痛み、休むと回復する状態です。筋肉が多量の血液を必要とする運動時にのみ、血流不足が表面化します。この段階で受診し、治療を開始することが極めて重要です。 - 第3度(安静時疼痛)
じっとしていても足が痛むようになります。特に夜間、横になると足先への血流がさらに落ちるため、眠れないほどの痛みに襲われることがあります。 - 第4度(潰瘍・壊死:本来の意味での「足梗塞」)
ついに足の組織に血液が全く届かなくなり、ちょっとした靴擦れや深爪から傷が治らなくなり、細胞が壊死(黒く変色して腐ること)します。最悪の場合、足の切断に至るリスクがあります。
【最大の懸念点】足梗塞は「全身の血管からの警告」
足の動脈硬化を進行させる最大の危険因子は「喫煙」と「糖尿病」です。それに高血圧や脂質異常症(悪玉コレステロールの増加)が重なることで、血管の内側にプラーク(脂肪の塊)がこびりつき、血管が細くなっていきます。
循環器専門医としてお伝えしなければならない最大の懸念点は、これが足だけでなく「全身の血管」の問題であるという点です。
人間の血管は全身で繋がっています。「足の血管が詰まっている」ということは、すでに「心臓の血管(冠動脈)」や「脳の血管」も動脈硬化でボロボロになっている可能性が極めて高いことを意味します。
事実、足の動脈硬化を放置している方は、将来的に心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる発作を起こすリスクが跳ね上がることが医学的なデータで示されています。足の症状は、全身の血管からの「最後通告」かもしれないのです。
循環器専門チームだからできる「根本改善」へのアプローチ
足の切断や心筋梗塞といったリスクをお伝えしましたが、ご安心ください。早期(第1度〜第2度)に発見し、適切な治療と管理を行えば、症状の改善と重症化の予防は十分に可能です。
南草津ひだまりハートクリニックでは、総合内科・循環器の専門医である院長が、足の血管だけでなく「全身の血管の健康状態」を総合的に評価し、根本的な改善を目指すチーム医療を提供しています。
痛くない「血管年齢(ABI)」検査
両手・両足の血圧を同時に測るだけの、5分程度で終わる簡単な検査です。足の血圧が手の血圧より低くなっていれば、足の血管が詰まっている疑いがあることを客観的に評価できます。
専門スタッフによる「安全な運動療法(心臓リハビリテーション)」
実は、間欠性跛行の治療としてガイドラインで強く推奨されているのが「運動療法」です。適切な負荷で歩行訓練を続けることで、詰まった血管の周囲に「バイパス」となる細い血管(側副血行路)が新しく作られ、長く歩けるようになります。
当院には広い専用リハビリ室があり、心臓リハビリテーション指導士や理学療法士が、あなたの状態に合わせた安全で効果的な運動メニューをマンツーマンでサポートします。自己流の無理な運動ではないため、心臓に不安がある方でも安心して取り組めます。
管理栄養士による生活習慣の改善サポート
動脈硬化の根本原因である糖尿病、高血圧、脂質異常症を改善するため、管理栄養士が無理なく続けられる食事指導を行います。
お薬の処方だけでなく、客観的な検査に基づき、運動と食事の両面からアプローチできるのが、当院のチーム医療の最大の強みです。
よくある質問(Q&A)
- Q
整形外科と内科、どちらを受診すれば良いか迷います。 - A. どちらの可能性もある場合は、ぜひ一度当院へご相談ください。ABI検査などで血管の状態を調べ、足の痛みの原因が「血管(血流)」なのか「神経や関節」なのかを切り分けることが非常に重要です。もし整形外科的な治療が必要と判断した場合は、適切な医療機関へスムーズにご紹介いたします。
- Q
治療は手術が必要になりますか? - A. 早期〜中等度(間欠性跛行の段階)であれば、お薬による治療と、当院のリハビリ室で行う「運動療法」で症状が大きく改善するケースが多くあります。重症化しておりカテーテル治療やバイパス手術が必要な場合は、連携する高度医療機関へご紹介し、退院後のケアやリハビリを当院で引き継ぐことも可能です。
- Q
大津市からでも通院できますか? - A. はい、当院はJR南草津駅から徒歩8分の立地にあり、専用駐車場も14台完備しております。大津市や周辺地域からも、お車でスムーズにご来院いただけます。
まとめ:足の痛みは放置せず、循環器の専門医へご相談を
「歩くと足が痛い」「足が冷えてしびれる」という症状は、決してただの加齢や運動不足ではありません。それは足梗塞(慢性閉塞性動脈硬化症)のサインであり、全身の血管からの重要なSOSです。
早期に発見し、専門医のもとで適切な運動療法や生活習慣の改善に取り組むことで、あなたの足と心臓を同時に守ることができます。少しでも足の症状に違和感を覚えたら、手遅れになる前に当院へご相談ください。
南草津ひだまりハートクリニックへのご予約・アクセス
当院は、患者様の待ち時間を減らし、スムーズに受診していただくために【24時間受付のWeb予約】を導入しております。
- 診療科目: 循環器内科、内科、心臓リハビリテーション科
- アクセス: 滋賀県草津市南草津3丁目4番7(南草津駅から徒歩8分)
- 駐車場: 14台完備(大津方面や車通勤の方も通院しやすい環境です)
- グループ院との連携: 「南草津おなかと胃大腸カメラのクリニック」「南草津あおぞらクリニック」と連携し、循環器疾患だけでなく消化器領域を含めた全身の健康を総合的にサポートします。
「ひだまり」のような温かい雰囲気の中で、専門スタッフがあなたの健康づくりを丁寧にサポートいたします。
この記事の監修者


滋賀医科大学にて長年、循環器内科の診療・研究・教育に携わり、2023年12月に当院を開院しました。専門性の高い診療とチーム医療を提供しています。
略歴
資格
・医学博士
・日本内科学会 総合内科専門医・指導医
・日本循環器学会 循環器専門医
・日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士
・日本心不全学会 心不全緩和ケアコースHEPT指導医講習会受講済