健康診断で「心雑音」と言われたら?異常のない音と弁膜症の違い、必要な検査を解説します。
- 2026年10月10日
- 内科

「健康診断の聴診で心雑音があると指摘されたけれど、普段は全く症状がないから大丈夫だろう」
「毎年引っかかるけれど、結局異常なしと言われるから今年も放置してしまおう」
健康診断の「心雑音」に対して、このような自己判断は避けましょう。
「症状がないから」「いつも言われるから」という理由で放置することは、心臓の逆流防止弁などに潜む異常を見逃してしまう可能性があります。
こんにちは。臨床検査技師の池田です。
当クリニックへは、「検診を受けた際、聴診で引っかかりました」という患者さんがよく来院されます。
今回は、診察の際に医師が聴診器で「実際のところ何を聞いているのか」という疑問にお答えしつつ、異常のない雑音と病気が隠れている雑音の違い、そして循環器専門医による精密検査の重要性について詳しく解説します。
▶︎目次
聴診器で何を聞いているの?正常な心音と「心雑音」の正体
診察室で胸に聴診器を当てられたとき、医師は心臓が発する音を注意深く聞いています。
心臓の中には4つの弁(逆流防止弁)があり、それぞれが開いたり閉じたりするときに心音が鳴ります。正常な心音は、基本的には2つの音で構成されており、Ⅰ音(低調音)とⅡ音(高調音)になります。
「ドクッ ドクッ」のリズム
- よく言われる「ドクッ」の最初の「ド」がⅠ音、「ク」がⅡ音に相当します。健康な心臓では、Ⅰ音→Ⅱ音→→Ⅰ音→Ⅱ音→→というように、リズムよく周期的に繰り返されています。
- Ⅰ音からⅡ音の間(収縮期): 心臓から全身へ血液が送られるタイミング
- Ⅱ音からⅠ音の間(拡張期): 心臓内での血液の移動のタイミング
では「心雑音」とは何でしょうか?
それは、正常なⅠ音・Ⅱ音以外の
「ザーッ」「シューッ」「バリッ」「カチッ」「タッタッタッ」
のような音のことを指します。
医師は、この雑音が鳴っているタイミング、音量、種類、一番聞こえる場所(最強点)を聴き分けることで、弁膜症を含めた心臓の異常をある程度推測し、精密検査へと繋げています。
なぜ検診で引っかかる?異常のない「機能性雑音」とは
「心雑音=心臓の重い病気」とすぐに結びつくわけではありません。
実は、まったく心臓に異常がないのに聞こえる雑音(機能性雑音)や、生理的な正常心音(Ⅱ音の呼吸性分裂)なども多く存在します。
しかし、一般的な健康診断の聴診だけでは、それが「異常のある雑音」なのか「異常のない雑音」なのかを完全に鑑別することができないため、念のために検診で「要精密検査」として引っかかってしまうケースも多いのです。
このような症状がある場合は要注意(受診の目安)
心臓に何かしらの異常があって鳴っている雑音なのか、特に異常のない雑音なのかを調べるためには、医療機関での受診が必要です。
早めに循環器内科を受診する目安
- 健康診断などで「要精密検査」と言われた場合
- 心雑音に加えて、以下の症状がある場合:
- 動悸(胸がドキドキする)
- 息切れ(少し動いただけで苦しい)
- 胸痛(胸が痛む、締め付けられる)
- 疲れやすい
- 浮腫み(足や顔がむくむ)
特に、息切れやむくみなどの自覚症状が伴う場合は、心臓の弁の働きが悪くなる「弁膜症」や、心不全の兆候である可能性があるため注意が必要です。
循環器専門チームによる精密検査(エコー検査の重要性)
心雑音の原因を正確に診断するためには、聴診に加えて、心臓超音波検査(心エコー)、心電図、胸部X線検査などの精密検査が必要となります。
中でも、心臓超音波検査は「心臓の弁がしっかり開閉しているか」「血液の逆流はないか」をリアルタイムで視覚的に確認できる非常に重要な検査です。
当クリニックでは、専門の臨床検査技師も心雑音精査の心臓超音波検査の際、必要に応じて聴診をさせていただくこともあります。これは、心臓超音波での所見と、心雑音での推測が一致するかを丁寧に確認しつつ検査を進めるためです。
医師と臨床検査技師が連携し、正確な診断へと導くチーム医療が当クリニックの強みです。
よくある質問(Q&A)
- Q1
子どもの頃から「心雑音がある」と言われていますが、大人になってから受診しても意味はありますか? - A. はい、意味は十分にあります。子どもの頃の雑音が「成長に伴い消失する無害なもの」であったか、あるいは「生まれつきの弁の異常(先天性心疾患など)が大人になって負担をかけ始めているもの」なのかを、一度心エコー検査で明確にしておくことは、将来の心不全予防の観点からも非常に重要です。
- Q2
心雑音の検査(心エコー)は痛いですか?時間はどのくらいかかりますか? - A. 心臓超音波検査(心エコー)は、胸にゼリーを塗って専用の機械(プローブ)を当てるだけの検査ですので、痛みは全くありません。お体への負担もなく、検査時間は通常15分〜20分程度で終了します。
- Q3
「機能性雑音(異常のない雑音)」と診断された場合、治療は必要ですか? - A. 精密検査の結果、心臓の構造や働きに全く異常がない「機能性雑音」であると診断された場合、治療や薬の服用は必要ありません。そのまま安心して日常生活を送っていただけます。
- Q4
心雑音を放置すると、最終的にどうなってしまうのでしょうか? - A. もし雑音の原因が「弁膜症(弁の狭窄や逆流)」であった場合、それを長期間放置すると心臓に過度な負担がかかり続け、徐々に「心不全(心臓の働きが低下し、息切れやむくみが出る状態)」へと進行してしまいます。心不全が悪化する前に、適切なタイミングで治療方針(経過観察、お薬、手術など)を立てることが大切です。
まとめ:心雑音と言われても放置せず専門医へ
検診で心雑音と言われても、すぐにパニックになる必要はありません。多くの場合、精密検査を受けて異常がないことが確認できれば安心して日常生活を送ることができます。
しかし、隠れた病気を見逃さないためにも、一度は循環器の専門医によるチェックをおすすめします。
特に、過去に心雑音を指摘されたことがある方や、何らかの症状がある方は放置しないでください。滋賀県草津市・大津市周辺でご不安な方は、ぜひ、一度当クリニックへ受診なさってください。
南草津ひだまりハートクリニックへのご予約・アクセス
当クリニックは、患者さんの待ち時間を減らし、スムーズに受診していただくために【24時間受付のWeb予約】を導入しております。
- 診療科目: 循環器内科、内科、心臓リハビリテーション科
- アクセス: 滋賀県草津市南草津3丁目4番7(南草津駅から徒歩8分)
- 駐車場: 14台完備(大津方面や車通勤の方も通院しやすい環境です)
- グループ院との連携: 「南草津おなかと胃大腸カメラのクリニック」「南草津あおぞらクリニック」と連携し、全身の健康を総合的にサポートします。
「ひだまり」のような温かい雰囲気の中で、循環器専門医をはじめとするスタッフがあなたの健康づくりを丁寧にサポートいたします。
この記事の監修者


滋賀医科大学にて長年、循環器内科の診療・研究・教育に携わり、2023年12月に当院を開院しました。専門性の高い診療とチーム医療を提供しています。
略歴
資格
・医学博士
・日本内科学会 総合内科専門医・指導医
・日本循環器学会 循環器専門医
・日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士
・日本心不全学会 心不全緩和ケアコースHEPT指導医講習会受講済
