【活動報告】第41回滋賀県理学療法学術集会にて教育講演を務めさせていただきました。
- 2026年9月24日
- 心臓リハビリテーション
こんにちは。理学療法士の澁川です。
前回に引き続き少し前の出来事となりますが、
7月12日(日)に開催された 第41回滋賀県理学療法学術集会 にてご依頼をいただき、教育講演を務めさせていただきました。
今回は、会場の熱気とともに学会の模様をご報告します。
米原市役所で開催された学術集会にて登壇
今年の学術集会は、 米原市役所 で開催されました。

写真をご覧になってお分かりのように、5年前に東口へ移転した新庁舎は清々しい佇まいで洗練された印象があり、駅からのアクセスの良さも実感しました。
大会長を務められたのは、前川 遼太 先生(近江温泉病院)です。
私が委員長を務める滋賀県理学療法士会の生涯学習検討委員会でも東近江ブロック委員として尽力されており、日頃から信頼を寄せている先生です。
前日の懇親会では、大会長としてリハビリテーションにかける熱い想いを語られており、普段の委員会とはまたひと味違う魅力的な姿を拝見することができました。
また懇親会では、神経系理学療法分野を長年牽引されている 鈴木 俊明 先生(関西医療大学教授/副学長)をはじめとする先生方とじっくり意見を交わすことができ、大変実りある時間となりました。
余談ですが、こうした懇親会には気後れしてしまう若い先生も少なくないと思います(実際、私も新人の頃はそうでした)。
しかし、第一線で活躍される先生方に直接臨床の疑問をぶつけられる絶好の機会でもあります。
顔と名前を覚えていただくことが、将来的なキャリアや新たな連携につながることもありますので、機会があればぜひ積極的に参加されることをお勧めします。(えらそうにすみません)
過去最大規模の参加者数を記録
今大会のテーマは「 標準化と個別性の往還 」でした。

今回は市民公開講座も含め、全体で過去最多となる366名もの方々が参加されたそうです(市民の皆様も多くご参加くださったとお聞きしています)。
滋賀県は大津・湖南地域に基幹病院が多く、理学療法士会員の所属も偏りがちなため、湖北方面での開催は参加者が限られるのではないかと少し心配されていました。
しかし当日は、そうした予想を大きく覆す熱気に包まれていました。
名だたる講師陣を揃えた魅力的な企画と、大会長をはじめとする関係者の皆様のご尽力の賜物と感じています。
市民公開講座を担当された 中谷 知生 先生(宝塚リハビリテーション病院 リハビリテーション研究開発部門長)とは、
日本理学療法士協会の近畿ブロック学術局で一緒に活動していますが、普段は“脳卒中の臨床歩行分析や機器開発”をご専門とされているイメージでした。
しかし、前日の懇親会にてご本人から「セラピスト落語家の八軒家良法師(はちけんやりょうほうし)です」とご紹介を受け、そのような一面をお持ちであることを初めて知り、大変驚きました。
当日は着物姿で登壇され(演題:参加するだけで健康になる落語会 〜笑って動いてためになる 自称セラピスト落語家による介護予防落語の世界〜)、私は別会場での業務のため直接拝聴できませんでしたが、大変評判だったとお伺いしました。
人を笑顔にする、本当に素晴らしい活動ですね。
また、工藤 慎太郎 先生(森ノ宮医療大学教授)の講演も大変印象的でした。
エコーを用いた適切な評価の重要性を豊富なデータとともに力説されており、非常に説得力があり勉強になりました。
例えば、膝の痛みを訴える患者さんに対して、膝蓋跳動検査で膝関節の水(関節液)の貯留を調べるだけでは不十分であり、整形外科医へ関節穿刺(注射器等で膝の水を抜く処置)を提案する場合は、エコー検査で確認した上で「●mL溜まっていると推察されるため」と、具体性を持って提案すべきだと仰っていました。
18ゲージというやや太めの針を刺す処置は患者さんにとっても相応の負担(侵襲)となるため、確かな評価に基づいて具体的に提案することこそが理学療法士の果たすべき役割であると強調されており、大変勉強になりました。
講演テーマ「心大血管リハビリテーションの標準化と個別性」
私自身の講演では、「 心大血管リハビリテーションの標準化と個別性 」をテーマに1時間お話しさせていただきました。
私の専門である 心臓リハビリテーション は、他分野と比較しても非常に確固たるエビデンスが確立されている分野です。
先月ドイツのミュンヘンで開催されたヨーロッパ心臓病学会(ESC Congress 2026 / 当クリニック非常勤の髙林医師も参加)では、ESCで初となる単独指針「2026 ESC Guidelines on Cardiac Rehabilitation」が発表されました。
一方で日本には、日本循環器学会・日本心臓リハビリテーション学会による「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2021年改訂版)」がすでに存在しており、臨床現場においてもガイドラインやエビデンス(科学的根拠)に基づいた質の高いリハビリテーションの提供がしっかり行われています。
こうした背景を踏まえ、私が考える標準化と個別性のあり方についてお伝えしました。

ガイドラインという標準をベースに据えながらも、それを患者さん一人ひとりに合わせて個別化し、研究結果を現場へ社会実装できるよう、私たち医療従事者は日々努力を重ねています。
当日は広い会場にたくさんの方がお越しくださり、大変身が引き締まる思いでした。
また、大学病院時代の上司である 平岩 康之 先生(びわこリハビリテーション専門職大学教授/滋賀県理学療法士会会長)に座長を務めていただいたことも、個人的に大変感慨深い出来事でした。
おわりに
確かな評価技術や理論、エビデンス(科学的根拠)という「標準化された知識」を土台に持ちながら、目の前の患者さん一人ひとりの人生や生活背景に寄り添った「個別性のあるアプローチ」を提供する——これこそが、私たちが日々目指すべきリハビリテーションの姿であると改めて実感した一日となりました。
来年は初となる湖西地区での開催が予定されています。
マキノ病院をはじめとする湖西ブロックの先生方は、これから1年間の準備でご多忙を極めることと思いますが、次回の開催を今から楽しみにしています。
少し長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。